プロジェクト

groupB01

工学アプローチによる
組合せ遷移の展開配電切替を足がかりとして汎用ソルバーへ

MISSION

組合せ遷移に対する「実装技術」を構築することにより,理論研究と産業応用の共通のコミュニケーション基盤となるソフトウェア開発を目指す.

スケジューリングや生産計画法,ネットワーク最適化をはじめ,組合せ最適化問題の解決を要する場面は,理論研究でも産業応用でも頻繁に生じる.その際,研究者や実務家が試みる手段として,汎用ソルバーの利用が広く普及している.組合せ最適化の分野では,命題論理式の充足可能性判定(SAT)ソルバーや,制約を満たす最適な解を求める整数計画法(IP)ソルバーの開発が長年進められ,アルゴリズムの非専門家であっても,様々な実用規模の問題を解くことができている.すなわち,これら汎用ソルバーを通して,利用者が意識することなく,アルゴリズムの最先端技術が社会利用されている.

汎用ソルバーの開発は,アルゴリズム技術の単なるコーディングではなく,「実装技術」として学術的に重要な研究対象である.例えば,SATソルバーの研究は,1960年代の自動定理証明に端を発し,2000年以降現在まで AI 関係の著名な国際会議でも主要な研究トピックとして継続して研究成果が発表されている.

現状では,組合せ遷移の汎用的な実装技術は確立されているとはいえない.一方で,配電網における電力供給の切替など少数の具体例に対しては,組合せ遷移のアルゴリズム技術を活用して,実用規模の問題を解くことに成功している.計画研究B01班では,この成功事例を足がかりとし,組合せ遷移の実装技術の確立を目指して,研究を進めていく.